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2007年06月24日

[読書] ウィキノミクス

ウィキノミクス マスコラボレーションによる開発・生産の世紀へ
ウィキノミクス マスコラボレーションによる開発・生産の世紀へドン・タプスコット/アンソニー・D・ウィリアムズ 井口 耕二

おすすめ平均
stars新たなパラダイムシフト−その時個人は

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この本のタイトルを見たら、とにかく読んでおくしかないよなぁ〜と、即購入。『ウィキノミクス』とは、ウィキとエコノミーを合わせた著者の造語だそうだ。

ブログの次に来たのが、ウィキ(Wiki)だが、これも一度使い始めるともう手放せないほど、非常に便利だ。今関わっている会社でも、議事録、手順書などの文書はほぼWiki上で作成してもらっている。議事録などは、一人ではどうしても落としているところがあるものだが、そういうときにすぐに追記できたりするので、もうWiki以外は考えられない。

と、Wikiの便利さを書いたが、本書はWikiのことを書いた本ではない。Wikiをベースにして作成され、今も膨張し続けているウィキペディアやLinuxなどに特徴的に見られる活動を「オープン性」「ピアリング」「共有」「グローバルな行動」という4つの行動原理として分析し、これからの企業活動(経済活動)は、これらの4つの行動原理が重要になると主張している。

情報をかき集め、外部に漏れないようにして、社内の優秀な人材を駆使して、新しい商品やサービスなどを開発する時代は終わった。今はパラダイムシフトが起きているんだ、ゲームのルールが変わったんだよというのが本書の主張だ。そういう意味では、「フラット化する世界」と相通ずるものがある。

実際に、この本の冒頭では、カナダのゴールドコープ社のエピソードで始まるが、このゴールコープ社のエピソードについては、「フラット化する世界」のp163 コミュニティ開発の問題解決 という章でも触れられている。このゴールドコープ社とは金鉱山会社だが、新しい金鉱床がなかなか見つからず、経営危機が迫っていたときに新しいCEOが、これまでの常識を覆して、地質データなどを全てウェブサイトで公開し、ネット上で金鉱床探索コンテストを開催した。そして、応募者が示した場所の80%から、見事に大量の金が発見されたという。ちなみにこのCEOロブ・マキューエンは、このやり方をオープンソースのLinuxの開発体制から、学んだ。

IBM、P&G、ボーイングなどの名だたる大企業がすでにいままでの常識とは違うやり方で外部とのコラボーレションを進めていて、実際に成果が上がっていると事例をあげて例証している。さて、この本を読んでいて、まるで浮かび上がるように目の前に迫ってきたのは、「プロシューマー」という言葉だ。

「プロシューマー」とは消費者(コンシューマー)の新しい形だ。彼らは商品をただ消費するだけでは満足しない。分析し、ハックし、改良する。しかし、彼らを企業側が受け入れたときに、想像もしなかったコラボレーションが成立する。例えば、レゴブロックのマインドストリーム(おなじみのレゴブロックでロボットなど組み立て、それをプログラムで動かすことができるもの)の登場に一部ユーザは熱狂し、すぐさま製品をハックしはじめた。レゴ社側は当初、この行為を咎めたが、ユーザとのやり取りの中で方針を転換し、APIを公開し、ユーザの参加を積極的に奨励している。

今では、レゴのサイト上で、ブロックの組み立てがシミュレーションできて、ロボットや恐竜などを組み立て、動作させることができる。そして、ユーザはそれが気に入れば、そこで使われたブロックのセットを注文することができる。それと同時にそのユーザが作ったセットを他のユーザが購入することができるのだ。すごいよ、レゴ。これがプロシューマーの事例。

ということで、プロシューマーがやっぱり、今後のキーワードだと思う。この本は、文句無しに★5つ。

投稿者 nekobara : 2007年06月24日 20:18


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