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2009年06月02日
[読書] 攘夷と皇国
| 攘夷と皇国―幕末維新のネジレと明治国家の闇 | |
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司馬遼太郎の「坂の上の雲」が今秋初めてテレビドラマ化される。司馬遼ファンは今から楽しみに違いない。
しかし、本書はアンチ司馬遼太郎である。幕末から、日露戦争までの日本の奇蹟(軌跡でもいい)を賛美する姿勢に懐疑的なのだ。
植民地化という未曾有の危機を乗り越え、大国ロシアを退けたが、それから先は坂の上から転げるように朝鮮、中国へ侵略し、ついには破滅にいったという司馬史観に異議を唱える。
そもそも、日本の朝鮮半島、中国大陸への進出は日露戦争を境に始まったのではなく、明治政府発足の早い段階で既定路線となっていたという。明治政府内の征韓論における対立も、征韓するのが前提で、それをどの時期に行うかの相違に過ぎなかったと主張する。
幕末の志士そして彼らを美しく描いた司馬遼太郎に対して、異を唱えると、この国においてはマイナーリーグ行きを避けられない。しかし、本書の備仲臣道氏と礫川全次氏は様々な資料を読み解き、司馬遼太郎によって作られた明治史観に見事な一石を投じている。
投稿者 nekobara : 2009年06月02日 21:40
