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2009年07月25日

[読書] 大破局(フィアスコ)

大破局(フィアスコ)―デリバティブという「怪物」にカモられる日本
大破局(フィアスコ)―デリバティブという「怪物」にカモられる日本Frank Partnoy 森下 賢一

おすすめ平均
starsSadder but wiser
stars最大の問題
starsスケールを楽しむ
stars金融という世界の恐ろしさ
stars内容・超GOOD!日本語訳はいまいち

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昔、師匠から荷物の緩衝材として、いただいた本。いつか読もうと思って、未読本棚に入れておいたが、今読むのがやっぱりタイムリーだと思って最近読んだ。

98年出版の本なので、大破局とは今回のサブプライムやCDSによる金融危機(スキャンダル)のことではない。90年代にいわゆる金融デリバティブで、我が世の春を謳歌したウォール街や著者が勤めていたモルガンスタンレーの内幕が語られている。

今回のサブプライムやCDSもいわゆる金融デリバティブ商品であるが、この手の金融デリバティブ商品が抱える根本的な問題点やそれ取り巻く人間模様がリアルに描かれていて、今回のバブルも同じような情景が繰り広げられたのだろうと容易に想像できる。まったくもって狂乱である。尋常ではない世界だ。グリード・・・・

さて、デリバティブを売りまくって得た著書の教訓がエピローグに書かれているが、10年経った今までも通用する文章であり、10数年後に発生するであろう金融危機の際にも、的を得た一文であろう。

「数千年前に貨幣が導入されて以来、より多くの情報を持った金融の仲介者は情報の少ない貸し手や借り手につけ込んできた。銀行そして多くの分派は、—つねにそうだったように— 偉大なビジネスだが、それは一つには、銀行家たちが何世紀もスキャンダルから生き延びる不思議なコツを心得ていたからだ。その点で、銀行業は、政治に似ている。政治家がいる限り、政治的スキャンダルは続くように銀行家がいる限り、金融スキャンダルは続くと僕は思う。そして、金融業がどんな近い将来にも消えそうな兆候はない。」

投稿者 nekobara : 2009年07月25日 13:19


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