2010年12月31日

ユダヤ人の起源

ユダヤ人の起源 歴史はどのように創作されたのか
ユダヤ人の起源 歴史はどのように創作されたのかシュロモー サンド 高橋 武智(監訳)

武田ランダムハウスジャパン 2010-03-26
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分かっていそうで全然分かっていない世界のことを少しでも知るために最近はイスラム関係の本を読んできた。そうすると必然的にパレスチナ/イスラエル/ユダヤ関連についてもの知識も必要になってくる。

そこで、手を出した1冊がこの「ユダヤ人の起源」。この本は私にはかなりハードだった。正直、読み進めるのが辛く、字面だけは追うけど、書いている内容がなかなか頭に入ってこなかった。

読み終えての自分なりの解釈は、

1)生物学的、遺伝学的見地からは、ユダヤ民族、ユダヤ人(種)なるものは実際には存在しない

2)ローマ時代のディアスポラ(イスラエルの地から、ユダヤ人が追放された)は、史実ではなくて、ユダヤ教徒が作り上げた神話である

3)かつてユダヤの国があった時のユダヤ人の生物学的、遺伝学的子孫は現在のイスラエルに住むユダヤ教徒よりも、イスラエルによって故郷を不法に占拠されたパレスチナの人々の可能性が高い

を主張し、その根拠を丹念に述べているということだ。

1)については、冷静に考えてみれば著者の主張に納得できる。キリスト教徒はいるが、キリスト人は居ないのに、ユダヤ人がいるのはおかしい。ヒンズー人、イスラム人、仏教人もいない。

2)については、現実的に考察して、当時の科学技術では、何十万人もの人を追放するのは不可能だ。実際にイスラエルの地を追放されたのは、一部の支配層だけで、国民(住民)はその地に留まったと考えるのが、妥当だ。

3)についても、2)の事実を考えると妥当な推測だ。住民は支配層がユダヤ教を布教すれば、それを信じる。しかし、その支配層が追われ、新たな支配層が現れ、別の宗教を布教すれば、したたかに改宗したのであろう。

その他に今年、関連するテーマで読んだ本は、以下の通り。

「不在者」たちのイスラエル―占領文化とパレスチナ
「不在者」たちのイスラエル―占領文化とパレスチナ田浪 亜央江

インパクト出版会 2008-05
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インティファーダの女たち―パレスチナ被占領地を行く
インティファーダの女たち―パレスチナ被占領地を行く古居 みずえ

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2009年09月16日

「社長力」養成講座

どんな時代もサバイバルする会社の「社長力」養成講座 (ディスカヴァー携書)
どんな時代もサバイバルする会社の「社長力」養成講座 (ディスカヴァー携書)
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やり手女社長のディスカヴァー・トゥエンティワンからの出版で、新聞紙面の広告で最近よく名前を見る著者の本だったので読んでみた。

社長を前提として、社長はどうあるべきかを書いた本だが、帯にもあるように社長じゃないビジネスマンにも充分にためになる話が満載。

「管理」よりも「方向付け」
「目標」よりも「目的」
「下請け」よりも「自立」
「新規」よりも「既存」
「甘さ」よりも「厳しさ」
「遊び」よりも「読書」

などなどが目次の一部だが、社長には社長のやるべき仕事があり、部長には部長のやるべき仕事があるということを網羅的に教えてくれる。読んでおいて損はないでしょう。

ちなみに、実際に成功した人に何人も会っている著書が、成功した人の特長は次の5つだという。

1)せっかち
2)人を褒めるのがうまい
3)他人のことでも自分のことのように考えらえる
4)恐いけど優しい
5)素直

さて、あなたはいくつ当てはまりますか?

だそうだ。私の場合、

1)せっかちというよりすぐにパニクる
2)褒め方が的を外している、取り繕うとしてさらにドツボル
3)その場で気がつかず、だいぶ後になってから気がつき、自分の鈍感さに落ち込む
4)相手が恐いからすぐに下手にでてしまう癖がある
5)ついつい素直な自分を演じてしまう

成功は遠すぎた橋なのか・・・・ orz

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2009年09月15日

パレスチナ問題を解く

パレスチナ問題を解く―中東和平の構想 (ちくま新書)
パレスチナ問題を解く―中東和平の構想 (ちくま新書)
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『イスラエル』(岩波新書 臼杵陽著)は、学者の本であったが、こちらはジャーナリストの本。ちょっと古くて96年の出版。オスロ合意の当事者イスラエルのラビン首相が暗殺された翌年で、アラファトPLO議長は生きている時代だ。

湾岸戦争で、PLOのアラファト議長はイラクのフセインを支持してしまったために、アラブ諸国の支援が途絶え、ひん死の状態となってしまった。PLO存続の危機を打開するために、イスラエルに大幅な譲歩をして、オスロ合意に至り、パレスチナ暫定自治区政府として、PLOは延命した。

しかし、この暫定自治区政府は「土地」と「入植地」を除外し、「住民」だけを対象にした統治システムであり、イスラエルの外部からのコントロール下で住民行政が進められる、形を変えた「イスラエル支配体制」の立て直し・再編プロセスの始まりにすぎないということだ。

問題の根源は、欧州で発生したいわゆる「ユダヤ人問題」を、発生地においてではなく、歴史的にも、そして道義的にも何ら責任を有さないアラブ世界に転化させる形で「解決」を図ろうとした英、仏など欧州列強の無責任さにある。

となると、英仏独にユダヤ自治区でも作って、イスラエルからそこに移住してもらうのが筋ってもんだよな・・・暴論だろうけど

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2009年09月05日

イスラエル

イスラエル (岩波新書)
イスラエル (岩波新書)
岩波書店 2009-04
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starイスラエル入門の良書
starイスラエルを知り、中東を知る―現代人必読の一冊
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イスラエルのことは、バルフォア宣言、イスラエル建国、中東戦争、PLO、アラファト議長、ガザ、ヨルダン川西岸、インティファーダ、オスロ合意、ラビン首相暗殺、ハマス、パレスチナ自治政府などなど、それなりのキーワードや出来事は知っているけれど、構造的というか、時系列に沿って体系的に把握していない。

そこで、今年の4月に出版され、入門書として評価が高い本書を読んでみた。200ページちょっとの新書にも関わらず、私にとっては知らなかったことばかりで、その情報量に圧倒されてしまった。読後感は、とても消化しきれなかったなぁ、それにしても、想像以上に複雑で、ややこしい問題だよ・・・イスラエルという国の存在は・・・・であった。

ユダヤ人というユダヤ民族はいないという認識は持っていたが、現実のイスラエルに住むユダヤ人は文化的にも人種的にも多様である。東欧、ロシア系の白人からエチオピア系の黒人までが、ユダヤ人である。ユダヤ教の教えに忠実に暮らす超正統派は一部であり、大部分市民はいわゆる世俗的だそうだ。(私の力不足で、世俗的とはどういうことを意味しているのかは、ちゃんと読み取れなかったが)

モザイク国家を維持して行くために、イスラエル国民というナショナリズムを高揚して行く必要があるので、常に共通の敵が必要なんだなぁ。また、イスラエル建国の経緯や地政学的な問題から、彼らは常に強度の強迫神経症的な状態にいて、すぐに軍事行動という過剰反応を示すんだなぁと、思った。

アメリカの覇権力、影響力が落ちて行く、21世紀において、イスラエルもその影響から逃れられないだろう。パレスチナに対して、今まで通りに強攻策(あまりにも酷い強攻策である)を続けてイスラエルそのもの崩壊を招くのか、それとも、パレスチナとの共存を真剣に模索して21世紀も国家として存在し続けるのであろうか?

とにかく、今まで漠然と認識してたことが、いかに正確でなかったかという現状認識を持てただけでも本書を読んだ意味は大きかった。

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2009年08月26日

脱ひきこもり―幼児期に種を蒔かないために

脱ひきこもり―幼児期に種を蒔かないために (角川SSC新書)
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starひきこもりをよくわかっていない。
star狐につままれた

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副題の「幼児期に種を蒔かないために」にどきりとして、本屋で手に取ってしまった。よく考えたら、子どもはもう小学生なので、この本を読んでも、いまさら手遅れかもと思いながら読んだ。

現在、日本ではひきこもりの若者が推定100万人いるそうで、もしこの数字が正確なら、結構凄いことになっていると思うし、もし自分の子どもが将来そうなってしまったら、やはりいろいろな面できついだろうなぁと思う。

ひきこもりのきっかけは思春期に起きるとなんとなく思っていたので、副題に反応したわけだが、著者は冒頭で、「ひきこもりの種は、幼児期に蒔かれる」と言う。

で、ひきこもりの真因は幼児期の家庭にあるといい、ひきこもりになる人の共通点として、本書p151では、

1)母親にほめられたことがない
2)母親が話を聞いてくれない
3)父親の存在感がうすい
4)いい子を演じてきた

とする。

また、p159では、

1)幼少時、母親からの過干渉/過保護を受け、自分の好きなことに出会うチャンスを奪われている
2)親から褒められた経験が少ない
3)親子の会話が少ない
4)両親の仲が悪い
5)両親がいきいきと人生を楽しんでいない
6)親が教師であるケースが多い
7)家族旅行などで自然にふれた経験が少ない
8)芸術/文化を楽しむ経験が少ない
9)家族全員が楽しい日常生活を繰り広げる暮らしをやっていない
10)成績が悪くないため、手のかからぬ子として教師に放っておかれた
11)いじめを受けた経験がある
12)教師に幻滅を覚えた経験がある
13)家庭で本音で会話する体験がないために、学校でも自分の本当の姿を人に見せられる友人や教師に出会う事がなかった

とある。

ちなみに帯には、

1)母親の過保護と過干渉
2)父親の無関心
3)愛のない家庭環境
4)自分の存在理由の不在
5)親からほめられたことがない
etc....

となっている。

正直、こういう環境や状況で育てば、ひきこもり以外の問題も起しそうである。

多分、うちはこんなに極端な状況にはなっていないと思うんだけど・・・・ 上を見て、そうそう、うちはこの通りだよと思う人はいないよね、自分たちだけは大丈夫ってことで。そう考えると、ちょっと心配かも (^^)

さて、著者は30年以上に渡って、幼児に絵を描かせて心理分析をしてきた人なので、本書の前半は実際の子どもを絵を事例として提示し、その分析結果を述べるとともに、年代によって子どもたちが描く絵がどのように変化していったかも説明している。

そのように、子どもたちの変化を見てきた著者によると、「物わかりがよくて、頭のよい子を育てることが、子どもの将来のためになるという共同幻想」がますます顕著になり、その結果として、子どもを素のままで生かすことを許さない方向に社会が向っている。その結果として、80年代以降急激に問題のある絵を描く子が増え、その9割が男の子だという。

で、ひきこもりになってしまったときの「脱ひきこもり」策は、「生きづらさの解消が先決なのだから、生きて行けそうな場所への移動、これがひきこもりを止める近道だと思う」としている。最後にひきこもり・不登校の支援団体に関する情報が載っている。

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2009年08月15日

闘うプログラマー

闘うプログラマー[新装版] ビル・ゲイツの野望を担った男達
闘うプログラマー[新装版] ビル・ゲイツの野望を担った男達山岡 洋一

おすすめ平均
stars伝説のプログラマーの生き様!
stars天才コンピュータプログラマーたちの生き様を見よ!

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一応、この業界で長年飯を食ってきたので、WindowsNTの開発者がデビット・カトラーであることは知っていたし、業界雑誌の特集でカトラーのこと(WindowsNTは、カトラーがDECで開発したVMSの1文字ずらしたネーミングなんてうんちくが妙に記憶に残っている)や開発の経緯はある程度は読んでいた。

もちろん、WindowsNTの開発物語である『闘うプログラマー』のことも気にはなっていたが、読む機会がなかった。今回、上下二巻だったものが、新装版として1冊にまとめられて、復刊したので、さっそく読んでみた。

プログラマーならば、誰でもプロジェクト遂行の困難さ、大変さを身にしみて知っているので、新しいOSの開発がいかにビックプロジェクトで困難を極める仕事かを本書を読んで理解するのは容易でしょう。すぐに登場人物に感情移入して、面白く読める。プログラマーじゃないひとでも、何か組織で協力して作り上げた経験のあるひとなら、その人間ドラマを楽しめるでしょう。

さて、中心人物のカトラーはやっぱり紳士とはほど遠い存在である。すぐに怒るし、無理強いはするし、能力の低い部下には冷たい人間である。しかし、自分(達)のOSを作り上げるんだ、世間に残る仕事をするんだという意志は強い。平和主義だけでは、偉大なOSは作れない。闘える人間だけが偉大な仕事を成し遂げるのだ。

当時、1週間に一度リブートしなければ動作が不安定になったWindowsNTのことは随分バカにしたけど、本書を読むと、WindowsNTの開発は確かに凄い仕事だったと思う。この開発のおかげで、サーバにもマイクロソフトのOSが使われるようになり、クライアントサイドもWin95からWin2000,XPへと上手くステップアップさせることが出来たのだから、マイクロソフトへの功績は計り知れないだろう。

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2009年08月12日

ツキを呼ぶ「魔法の言葉」

ツキを呼ぶ「魔法の言葉」―幸せになる!お金が舞い込む!病気も治ると大評判 (マキノ出版ムック)
ツキを呼ぶ「魔法の言葉」―幸せになる!お金が舞い込む!病気も治ると大評判 (マキノ出版ムック)
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stars感謝します!
stars実践すると良いこときます
stars本当にツイて来たかもしれないです。
stars「魔法の言葉」は素晴らしい!
stars思い=言葉=行動という事を教えてもらえる

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どんなときでも、「ツイている」「感謝します」「ありがとう」と口癖のように言っていれば、どんどん運がよくなり、人生が好転して行きますよという話。(ただし、私が読んだのは、とのや健康ヴィレッジ発行の講演録小冊子400円のほう)

いわゆるポジティブシンキングなので、それ自体に異存はない。しかし、本書中で語られている著者のエピソード(イスラエルのおばあさんの話や不良少女の話)は、なんか嘘くさい。

私はいつもツイている

感謝することばかりです

すべてのことにありがとう

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2009年07月31日

社員のモチベーションは上げるな!

社員のモチベーションは上げるな!
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starsあとがきが良い
starsいい意味で裏切られた!
starsピリッと辛いがいいとこついてます

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最近、「◯◯◯するな!」のタイトル本が目につくが、出版社の思うつぼなのは分かっているけど、やっぱり気になってしまう。(^^)

著者のことは、随分まえに営業支援システムのことを調べたときに、北海道で営業支援システムを開発、販売している会社の社長として知った。その当時、すでに「ここが変だよ営業マン」的な本も書いていた思う。当時から、気になっていて、その本を読もうかなぁと思いながらも、結局読む事がなかった。そういうことで、今回、最新の著作を読んでみた。

経営層、マネジメント層は、社員の働きをよくするために、モチベーションを上げようとするが、私の知る限り、あまり上手くいかない。ビジネス関連の雑誌やセミナーで、モチベーションの高い社員がたくさんいる会社の成功事例が紹介されたりするが、現実はどうなんでしょうね。(^^)  

実際にある会社に見学に行きったが、なんか北朝鮮のマスゲーム的な匂いがする。私の鼻が悪いだけかもしれないけど。確かにピッシとした朝礼を元気よく、礼儀正しく、はっきりした声で行っているのを見るのは気持ちいいけど・・・・・

さて、本書ですが、「社員のモチベーションを無理矢理上げようとしても、意味ないですよ。それよりも、改善することがもっとあるでしょう。」というスタンスですかね。モチベーションはあくまでもひとりひとりが自発的に上げて行くもので、外部からの刺激で上がったモチベーションは所詮のその場限りで本当の意味でのモチベーションではないということ。

その他に経営者としての経験から導きだされたことが、述べられていて参考になる。中国出身で、日本に留学したのちに会社を創業して、経営したという著者ならではの経歴だから、見えてくることも多く、その指摘は非常に勉強になる。

アマゾンの書評にもあるが、あとがきの文章がいい。

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